やきものは、大きく「陶器」と「磁器」に分けられます。それぞれに特徴があり、扱い方も違います。お気に入りの大切なうつわを長くお使いいただくために、以下をご参考下さい。
■陶器
「陶土」と呼ばれる土を主な原料としていて、「土もの」とも呼ばれています。
磁器に比べると土の密度は低く、強度は弱く繊細ですが、ざらっとした質感がやわらかな印象でほっこりさせてくれます。
水分を吸水しやすいので、においうつりやカビには注意が必要です。
また土の種類や焼き方、使う釉薬によって特徴は異なります。
原料:土
粒子:粗め
強度:弱い
吸水性:高い
目止め:必要なものが多い
電子レンジ:×
オーブン:×
直火:×
食器洗浄機:×
■磁器
白くて硬い「陶石」を砕いて粘土状にしたものを原料とし、「石もの」とも呼ばれています。
粒子が細かく均一な生地を高温で焼き締めるため、硬度があり、表面がつるりとしているのが特徴です。
陶器に比べ吸水性はなく、においや色移りなどの心配がなく、手間のかからない使いやすいうつわです。
原料:石
粒子:とても細かい
強度:弱い
吸水性:ほぼない
目止め:不要なものが多い
電子レンジ:○
オーブン:×
直火:×
食器洗浄機:△
※上記は、一般的な「陶器」と「磁器」の違いです。使用している土や釉薬、焼き方によって、性質には個体差があります。
各メーカーの表示する取り扱いに従ってください。
【その他のやきもの】
■半磁器
陶器と磁器の良いところをミックスしたやきものです。陶器らしい柔らかな風合いと、磁器らしい強度を併せ持っています。オーブンや電子レンジで使えるものも多くあります。
■耐熱陶器・土鍋
耐火性のある土を使ったやきもの。
陶器ではありますが、直火、オーブン、電子レンジで使用できるものが多くあります。
※使用している土によって、オーブンや電子レンジで使用できないものもあります。
各メーカーの表示する取り扱いに従ってください。
陶器を購入したら…
吸水性のある陶器は、使っていくうちに徐々に風合いが変化していきます。色も変化していきますが、あまり変化しない方がいいというときは、使うたびに、さっと水に浸してから使うようにしましょう。
水に漬けることで、においや汚れがつきにくくなって、買ったときの風合いを長く保てます。
○陶器にひと手間〜目止めをする〜
(目止めとは)
陶器を買ったら、長くお使いいただくためにも吸水性がある陶器は、使ううちに水が染み出してくるのを防いだり、汚れがついてしまうのを防いだりするために、「目止め」を行います。
陶器の種類によっては、目止めをすることで、逆ににおいがついてしまううつわもあるため、うつわの取扱説明書に従うようにしましょう。
(目止めの方法)
うつわの目止めには、米のとぎ汁か小麦粉を水に溶かしたものを使います。
①うつわが入る大きさのお鍋などに、米のとぎ汁とうつわを入れて、沸騰させます。
②沸騰したら、火をとめてうつわを入れたそのままの状態で冷まします。
③お米のとぎ汁が冷めたら、うつわを取り出して、丁寧に洗ってぬめりを落とします。その後、よく乾かします。
陶器を使い終わったら…
土もののうつわは傷つきやすいため、やわらかなスポンジで丁寧に洗いましょう。食器用洗剤をつけても大丈夫ですが、しっかりとすすぐことが重要です。籠やふきんの上などで、空気が通るようにして、しっかりと乾かしましょう。